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ワシントンDC、8つの行政区に壁画を1点ずつ
ワシントンDCの公共壁画事業MuralsDCが、アメリカ建国250周年に合わせて市内8つの行政区(ward)ごとに壁画1点ずつを委嘱した。地元放送局WJLAが2026年8月20日に報じた。
どんな事業か
MuralsDCは、DCの公共事業局(Department of Public Works)が市長室と連携して運営している。約20年にわたり続けられ、これまでに約200点の壁画を生み出してきた。今回の250周年事業には作家8名が参加し、8点すべてが2026年9月末までに完成する予定だ。事業は公共事業局のナンシー・ライオンズ(Nancee Lyons)氏が統括する。
公表された3点
「First Footsteps(最初の足跡)」 — 第4区、ジョージア・アベニューNW 5816番地。作家はフェデリコ・フルム(Federico Frum、活動名MasPaz)。大西洋中部地域の先住民であるピスカタウェイ・ネーション(Piscataway Nation)に敬意を表す。フルム氏はWJLAにこう語った。「私が描いた顔を見ると、たくさんの肌の色が見えるはずです。あらゆる体つき、大きさ、肌の色の人々を讃えているのです」
「Keeping the Promise(約束を守る)」 — 第6区、HストリートNW 1335番地。作家は6代続くワシントン市民のミア・デュヴァル(Mia Duvall)。DCの州昇格(statehood)を思わせる装いの現代的なマーチングバンドを描き、独立宣言に列挙された告発条項を参照している。デュヴァル氏は「独立宣言は未完の文書だ」と述べた。
「The American Dream(アメリカン・ドリーム)」 — 第7区、イースト・キャピトル・ストリートNE 4510番地。作家はルイス・デル・バジェ(Luis Del Valle)。鷲、魚、少女、釣りをする少年を配し、機会と忍耐を表現した。デル・バジェ氏は「完璧な国はありませんが、ここでは本当に何もないところから何かになれるのです」と語った。
残る5点の作家と題名は公表されていない。
「区ごとに1点」という設計
この配分そのものに意味がある。8点を中心部にまとめれば観光名所になるが、8つの区に1点ずつ散らせば街全体をたどる経路になる。どの区の住民にとっても、歩いて行ける距離に1点があることになる。
内容も一様ではない。先住民の歴史を讃える作品、独立宣言を未完と呼ぶ作品、移民の機会を描く作品が、同じ記念事業のなかに並ぶ。ひとつの周年に対して、複数の異なる答えが置かれている。
委嘱された壁と、そうでない壁
市が委嘱した壁画と、許可なく描かれた絵とでは法的な位置づけが違う。しかし街を読む側から見れば、両者は同じ仕事をしている。壁が何を語っているかを教えてくれる。
違いは寿命だ。委嘱作品は維持・補修されるが、それ以外は来月には消えているかもしれない。Wallscapeが位置情報とともに記録を残すのはそのためだ。DCで見かけた壁画は、地図に載せておけば次の誰かに残る。
確定していること、していないこと
確定しているのは、運営主体、作品数、3点の作家・題名・所在地、9月末という完成目標である。未確定なのは、残り5点の詳細、予算規模、各作品の公開日だ。