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香港、トイレの落書きで19歳に保護観察18カ月
トイレの壁のマーカー書きに、香港で保護観察18カ月
香港の裁判所は2026年8月12日、オフィスビルのトイレの壁にマーカーペンで書き込んだ19歳の男性レオン・カイロク(Leung Kai-lok)被告に、保護観察18カ月と清掃費1,500香港ドルの支払いを言い渡した。ザ・スター(The Star)が伝えたAFP報道によれば、同被告は7月に扇動的意図をもった行為と器物損壊の罪で有罪となった。被告には自閉スペクトラム症がある。この罪の法定刑の上限は禁錮7年である。
壁に何が書かれていたのか
同報道によると、オフィスビルのトイレの壁にマーカーで書かれた文言には、2019年の香港デモのスローガンである「香港を取り戻せ、時代の革命だ(Liberate Hong Kong, revolution of our times)」、卑語、そして香港行政長官ジョン・リー(John Lee)に向けた文言が含まれていた。
行為の物理的な規模は極めて小さい。スプレー塗装でも壁画でもなく、繰り返しのタギングでもない。マーカー1本とトイレの壁1面である。清掃費として算定された額は1,500香港ドルだった。
器物損壊と表現は別の問題として扱われた
この事件が国際的に報じられたのは、被害の大きさではなく、適用された法律のためである。壁を汚した行為は器物損壊として扱われ、壁に書かれた内容は香港の国家安全関連法上の扇動的意図の問題として扱われた。
落書きをめぐる事件はほぼ常にこの二層を含んでいる。一つは他人の所有物に痕跡を残した行為であり、もう一つはその痕跡が語る内容である。多くの法域では前者だけが問題となり、後者は問われない。この事件は両方に達した。
ザ・スターによれば、ソー・ワイタク(So Wai-tak)首席裁判官は量刑にあたり「意見を表明できないという意味ではない。しかし表現の自由は相対的なものだ」と述べた。
香港には2020年に中国政府が導入した国家安全維持法と、2024年に香港が独自に制定した国家安全関連法がある。ザ・スターによると、2026年8月1日時点で国家安全関連の犯罪により415人が逮捕され、185人が有罪判決を受けている。
同じ行為が、都市ごとにまったく別の事件になる
グラフィティを長く追ってきた人であれば、この判決に見慣れた構造を見出すだろう。壁に痕跡を残す行為の法的な重さは、行為そのものではなく、その壁がどこにあり、その言葉が何に向けられているかで決まる。
同じマーカーの一筆が、ある都市では数十ドルの反則金で終わり、ある都市では自治体が指定した合法の壁の内側であれば何の問題にもならず、別の場所では上限7年の罪の証拠になる。痕跡の大きさはこの差を説明しない。説明するのは法域と、その言葉が名指した対象である。
この事件は政治的な文言を扱ったが、政治とは無関係の落書きにも同じ構造が働く。初犯のタグが警告で終わる都市もあれば、反復により画材の携帯を制限する命令が付く都市もある。ルールは国境だけでなく、同じ都市の区ごとにも変わる。
ストリートアートを追う人にとっての意味
第一に、法的リスクは移動しない。ある都市の壁で通用してきた慣行が、別の都市でも同じ結果になると考える根拠はない。個々の壁の法的地位は、その土地の法律と、その時々の政治状況の中でのみ決まる。
第二に、落書きをめぐる議論は「芸術か破壊か」という問いでは終わらない。この事件で争われたのは美学ではなく内容だった。壁は都市で最も安価で、最も検閲しにくい発表の場である。だからこそ各国の法律は、壁を財産の問題としても発言の問題としても扱う。
Wallscapeはすでに存在する作品を記録するプラットフォームであり、許可のない塗装を推奨しない。合法的に描ける壁と、いま実際に残っている作品はマップとフィードで確認できる。
出典
本記事はザ・スター(The Star)に掲載されたAFP報道に基づく。原文: Hong Kong sentences 19-year-old to probation for 'seditious' toilet graffiti