グラフィティニュース
ズービン・メータの壁画、デリーのロディ地区に
ロディ・コロニーの街角に指揮者の肖像が加わりました
インドのデリーにあるロディ・コロニーで、指揮者ズービン・メータをたたえる壁画が公開されました。ヒンドゥスタン・タイムズによると、公開は金曜日で、住民や通行人が足を止めて作品を見つめました。壁画が街の風景を形づくる地区に、音楽を主題とする作品が加わったことになります。
依頼したのは在インド・イスラエル大使館です。メータは2026年4月29日に90歳を迎え、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団とは1961年から関わってきました。同紙は、同楽団も2026年に90周年を迎えると伝えています。一人の音楽家の節目と楽団の歴史を、同じ壁面で記念する構想です。
肖像とオーケストラの共同作業を重ねています
制作側は、国や友好関係を表す模様よりも、人物の肖像のほうが通行人に伝わりやすいと考えました。手がけたのはイメージネーション・ストリート・アートです。中心となった画家ディーパク・サイニは同紙に、当初はインドやインドとイスラエルの関係を示す象徴やモチーフを検討していたと説明しています。そこから、見る人が身近に受け止められるメータの顔を選びました。
もう一つ重視したのは、指揮者が一人で音楽を生み出すわけではないという点です。サイニによると、制作陣は肖像だけでなく、演奏家たちが一緒に働くオーケストラの性格も表そうとしました。鑑賞する際は、誰が描かれているかを確かめたうえで、個人と集団という二つの主題に目を向けることができます。
白黒の肖像には、青緑色の背景を組み合わせています。サイニは、背景が前面の表現を圧倒せずに引き立てる色合いを選んだと説明しました。顔の描写だけでなく、背景との明暗や色の差を見ることも、制作意図に沿った鑑賞の手がかりになります。
下地づくりも屋外作品の制作に含まれています
壁画にはアクリル系エマルション塗料を使い、壁面には防水処理などの下準備を施しました。同紙によると、制作期間は約15〜20日です。通りから見える完成図の前に、屋外の壁を整える工程があったことがわかります。肖像表現と素材への対応が、一つの仕事として結びついています。
サイニは長持ちさせる工夫について語る一方で、どんなものも時間とともに傷むと述べています。ストリートアートにはそれぞれの寿命があり、後に戻って新しい作品をつくることもできるという考えです。具体的な描き替え日や保存年数を示した発言ではありません。壁画を固定された画像としてだけでなく、壁や素材が時間を重ねる表現として見る視点を与えています。
街を歩く日常が鑑賞の場になります
この壁画は、住民や通行人が普段の移動のなかで音楽家の記憶に触れる場をつくります。公開時に人々が足を止めたという報道は、演奏会場の外でも音楽の話題が共有される様子を伝えています。周囲の壁画と見比べれば、同じ地区の壁が異なる人物や物語を受け止める仕方にも目を向けられます。
在インド・イスラエル大使のルーベン・アザールは、作品を文化的な友好と人々のつながりを育む試みとして説明しました。これは依頼した側が示す目的です。その背景を知ることで、肖像の構成や色だけでなく、街のなかで文化的なメッセージを伝える壁画の役割も考えられます。
訪問先として確認できるのはデリーのロディ・コロニーです。報道には壁面の詳しい住所や鑑賞時間が記されていないため、特定の建物や時間帯を案内する根拠はありません。ほかの作品も探しながら歩く場合は、Wallscapeの地図を活用できます。