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ジョン・ピュー、アシュランドに歴史を重ねる錯視壁画
ジョン・ピュー(John Pugh)が、米オレゴン州アシュランドの中心街で長さ100フィートの錯視壁画を設置している。The Oregonian/OregonLiveのジャネット・イーストマンによる記事によると、場所は1910年に建てられたエルクス・ロッジの北西側外壁だ。作品名はWhere the Crow Lightsで、地域の自然と先住民の歴史、演劇の記憶を同じ画面に重ねる。
ジョン・ピューの新作名はシャスタの村に由来する
Where the Crow Lightsという題名は、かつて存在したシャスタの村から取られている。The Oregonian/OregonLiveによると、計画は2023年にアシュランドの歴史委員会と公共芸術諮問委員会の承認を受けた。ピューは歩道から2階分の高さに設けた足場で、およそ2カ月作業する予定だ。
題名を確認すると、描かれる劇場の歴史より前にも作品の背景があることが分かる。記事は、ピューが神聖なシャスタの村へと遡る物語を意識していると伝える。絵の中の建物だけを見て終えるのではなく、土地の名前がどの時代を指しているかにも目を向けたい。
オークの枝が舞台の幕を押し開く
画面では、葉を茂らせたオークの枝が舞台の幕を開く。The Oregonian/OregonLiveによると、この木はローグ・バレーのシャスタの人々を支えた、古いアシュランド・クリーク流域と結び付く。ショトーカのドームの内側に木があり、そこへ日光が差し込むように描かれる。
記事によると、このドームでは1893年から文化や娯楽に関する講演が行われていた。現存するコンクリート壁は、リシア・パーク入口近くにあるオレゴン・シェイクスピア・フェスティバルのエリザベサン劇場の一部となっている。画面の建築は、現在に残る地域の場所とつながっている。
ピューは同媒体に、ドームがフェスティバル創設者アンガス・ボウマーによる1935年のグローブ劇場構想のきっかけになったという趣旨を説明した。同時に作品の根はさらに古いシャスタの村にあるとしている。劇場史と村の歴史を一つにまとめず、それぞれの関係として読むことが大切だ。
奥行きは描かれた光と影で生まれる
壁画の立体感を支えるのは、精密に描いた影と光源だ。The Oregonian/OregonLiveによると、ピューはアシュランドのBig Dog Studioで数十枚のパネルを手描きした。設置はある水曜日の午後9時に始まり、アクリル系の壁紙用接着剤を使うため、涼しい夕方以降に作業している。
記事が説明する手順では、まず40フィート×5フィートの横長の帯6枚を中央に取り付け、その後に両側へ縦長の帯を設置する。上部には窓が描かれ、幕は現地で制作される。人物やカラス、トンボなどの細部にはグレーズを重ねていく。
完成前の写真を見る際には、制作の段階にも注意したい。スタジオで準備した部分と建物で描く部分が組み合わされるため、途中の状態だけで最終画面を判断することはできない。幕の縁の影や木に当たる光は、平面が空間に見える仕組みを観察する具体的な手がかりになる。
制作では地域の人々への聞き取りも行われた
ピューは地域の部族の人々、歴史家、住民に話を聞いた。The Oregonian/OregonLiveは、その一人としてモドックの長老トッド・グリアを挙げている。これは制作に向けた相談の経緯を示す情報であり、あらゆる共同体が作品を公式に承認したという意味ではない。
幕の外にはルーズベルトエルクのテディが登場する。同記事によると、テディは1930年代にリシア・パークの檻で飼われており、その剥製はエルクス・ロッジの中にある。建物の内部にあるものと、外壁に描く要素が対応している。
ピューは同媒体に、人間を自然の一部と考える古い知恵を見直す必要があるという趣旨も語った。通行人に足を止め、絵の物語を考えてもらいたいという意図だ。この発言は作者自身の考えとして捉え、絵に関わるすべての人の立場に広げないようにしたい。
民間資金で進め、除幕式は2027年春を予定する
事業費は25万ドルで、非営利団体Ashland Art Worksを通じて民間から集められている。The Oregonian/OregonLiveによると、ボランティアのプロデューサー、マディ・ディリエンゾは、目標までの不足額が3万ドル未満だと説明した。3年にわたる制作準備と募金を経て、地域の協力への感謝と安堵を述べている。
記事は寄付の案内先としてプロジェクトのサイトを紹介している。不足額は報道時点の情報であり、現在の残高を示すものではない。作品の構成を解説するインタラクティブガイドも予定され、市は2027年春に除幕式を開く計画だ。
壁画はイースト・メイン通りなどから見える
作品を見られる場所として、イースト・メイン通りとノース・ファースト通りが報じられている。The Oregonian/OregonLiveによると、平屋のチェース銀行の上に壁画が見える。北西側の外壁という情報と合わせて、建物上の位置を把握できる。
ほかのストリートアートも探す場合は、Wallscapeの地図を利用できる。この壁画を記録する際には、題名と作者名に加え、制作途中か完成後かを区別したい。錯視の仕組みを観察することと、描かれた土地の歴史を出典とともに確かめることの両方が、作品を読む手がかりになる。